曲がったページが読みにくい理由
開いた本のページが平らなことはありません。紙は背から弧を描いて浮き上がり、文字はのど側に向かって詰まり、光は不均一に落ちていきます。写真はそれをすべて忠実に写し取ります。それこそが問題です。必要なのは曲がったページのよい写真ではなく平らなページであり、いくら切り抜いてもそこには届きません。
一般的な答えはハードウェアです。フラットベッドスキャナーはガラスでページを押さえて平らにし、オーバーヘッド型ブックスキャナーは V 字の台で解決します。どちらも有効ですが、どちらも本を機械のところへ運ぶ必要があります。
モデルが実際に補正しているもの
vFlat は 1 枚の写真からページの立体形状を推定し、それを展開します。次の 3 つが同時に補正されます。
- 曲率そのもの。背に向かって湾曲した行がまっすぐになります。
- 遠近。ページが台形ではなく長方形として見えるようにします。
- 不均一な照明。影になったのど側が、外側の余白と同じ明るさになります。
この 3 つを同時に行うことが重要です。曲率を扱わずに遠近だけ補正すると文字は湾曲したまま残り、照明を整えずに平面化するとどのページにも中央に灰色の帯が残ります。
とくに効果が大きい場面
もっとも湾曲する厚い本で効果が最大になります。中ほどを開いた文庫本、平らに置けない上製本、譜面台に載せた楽譜のいずれも、ただ撮った写真より明らかによい結果になります。
強い光源の下の光沢紙は、今でも少し気を配るとよい場面です。反射はモデルが復元できない情報を消してしまうため、拡散光のほうがきれいな結果になります。
OCR にとっての意味
平面化は見た目のためだけではありません。補正されたページでは、文字の形がのど側で詰まらず行全体で一定に保たれるため、テキスト認識の精度が明らかに高くなります。
実際には、検索できるスキャンと、眺めるだけのスキャンの違いになります。
次に開く本で試してみてください
見開きにカメラを向け、自動撮影に任せて、標準のカメラアプリで撮ったであろう写真と比べてみてください。その差がこの機能のすべてです。
